表示速度とSEO対策
Webサイト制作におけるSEO対策として、今回はWebサイトの表示速度について解説します。これまで解説してきたタイトルや見出し等程の効果は期待できませんが、ユーザビリティという面からもしっかりと対策すべき要素と言えます。
今回は、2010年、Googleが検索結果の順位決定の要因として扱うことを公式に発表したことでSEOにおける対策要素として注目されるようになったWebサイトの表示速度についてSEO対策における評価のされ方や具体的な表示速度の改善方法を紹介します。
Webサイトの表示速度自体や影響を与える要因については『Webサイトの表示速度』で紹介していますので、こちらをご覧ください。
SEO対策における表示速度の意義
『Webサイトの表示速度』でご紹介した通り、Webサイトの表示速度とは読んで字のごとく、Webサイトが表示される時の速さのことを指します。
そしてこのWebサイトの表示速度は、通信速度の高速化によりユーザビリティの面では以前程は議論されなくなってきましたが、2010年にGoogleが検索結果の順位決定の要因としてページの表示速度を含めたことを公式に発表したことで、SEO対策の面から注目されるようになりました。
では検索エンジンはどのような基準でこの表示速度を判定し、検索結果の順位に反映しているのでしょうか??次項ではこの検索エンジンのWebサイトの表示速度の判定基準を解説します。
検索エンジンによるWebサイトの表示速度判定基準
ではGoogleなどの検索エンジンはどのような基準でこの表示速度をどのように計測し、どのように判定しているのでしょうか??
この判定基準をGoogleが公表しているわけではないので推測に過ぎませんが、弊社の調査結果や専門家の意見から以下の様なことが言えそうです。
- 表示速度の計測時間はHTML読み込み時間だけでなく画像やCSSを読み込み、JavaScriptの動作が完了するまでの時間が対象
- Web上にあるサイトの中で表示速度上位2割以内のWebサイトが速いと判断される
- 表示速度の速いサイトの順位は上がるが遅いサイトの順位が下がるわけではない
つまり表示速度が遅いからと言って表示順位が著しく落とされることはないようですが、画像のデータ量を軽くしたり、無駄なコードを書かずにより単純なコードで機能を実装することで表示順位を上げることができるということです。
但し私たちがこれまで行ってきた施策や調査においては、この表示速度の改善によるSEO対策の効果は、これまで紹介してきた様々な手法と比較するとそこまで大きくありませんでした。ですから当Web制作会社.comとしては、表示速度の改善はあくまでユーザビリティの向上のためであり、加えてSEO対策としても効果がある程度の位置づけが正しいかと思っています。
Webサイトの表示速度におけるSEO対策
Webサイトの表示速度に影響を与える要因は様々ですが、Webサイトの制作者がコントロールできないユーザー側の要因以外の要因は、以下の4つに分類できます。
- コンテンツ要因
- Webサイト自体の要因
- Webサイトに追加した機能の要因
- 利用しているサーバー環境の要因
そしてこれらの要因に対して適切に対応することでWebサイトの表示速度を改善し、ユーザビリティを向上させるとともにSEO対策ができるのです。
では具体的に各要因の改善方法を紹介していきましょう。まず1点目のコンテンツ要因ですが、これは利用する画像や動画のサイズを小さくすることでかなり改善することができます。
例えば画像に関しては種類にあったファイル形式を選択し、かつ必要以上に解像度を上げたりサイズを大きくしたりしないように努めるなどの対応が必要となります。特にロゴやサイドバーのアイコン、そしてヘッダーやフッターの背景画像など、共通部分の画像は全てのページに影響するので出来るだけ軽くすることが大切です。そしてそのような場合には、CSS Spriteなどの技術が非常に役立つので、是非利用してみるのも良いでしょう。
またHTMLやCSS、そしてJavaScriptなどの記述に関してはW3C[World Wide Web Consortium]など各団体が決めている標準に従った記述をするのはもちろん、出来るだけ単純かつ短く記述できるようにしましょう。また、記述する場所によっても表示速度が変わるので注意が必要です。
例えばCSSをファイルの下の方に記述してしまうと、一度CSSなしで構築したあとでCSSを読み込み、再構築をすることになるのでWebサイトの表示速度が遅くなります。また逆に、あまり長く動作の重いJavaScriptをファイルの上の方に記述してしまうと、なかなかHTMLやCSSを読み込まないので、やはり表示速度は遅くなります。もちろん命令の内容によって読み込ませるタイミングは限定されてくるので、自由に場所を変えられるものではありませんが、しっかり考慮する習慣をつけるようにしましょう。
そして最後にサーバーに関しては、ご自身でたて必要に応じて最適化するのが1番ですが、レンタルサーバーを利用される際には、価格だけではなくしっかりとサーバーのスペックや提供されている機能を確認することが大切です。
レンタルサーバーの中にもさまざまなカスタマイズができるサービスもありますし、しっかりと目的に合わせて吟味されることをおすすめします。またお試し期間がある場合は、お試し期間を利用してパフォーマンスを確認されるのが良いでしょう。そしてすでにあるWebサイトの表示速度が遅くなってきた場合は、SEO対策のためだけではなく、ユーザビリティの観点からもサーバーを移転するなどの対応を考えられても良いかと思います。
最後に所有するWebサイトの表示速度の評価を確認する方法をご紹介します。
Googleの評価という点から考えると、Googleの提供するウェブマスターツールの機能である『サイトのパフォーマンス』のデータを利用されることをおすすめします(『サイトのパフォーマンス』は『Labs』の中にあります)。と言いますのも、ここで表示されるデータは、GoogleツールバーのPageRank機能を有効にしているユーザーから直接収集されているデータなので、Googleが検索結果の順位決定に使っている各Webサイトの表示速度の値に非常に近い値であると推定されるからです。
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